動物園が出来るまで ~ 昭和39年

 昭和34年(1959年)
   10月 「帯広市民動物園造成友の会」が市民有志によって結成され動
        物園づくりについて趣意書を作成、広く市民によびかけた。事務
        局を公民館におく。(準備委員:高野秀三、大江健、三宅勝、亀谷
        勉他7名)

   11月 公民館祭の協賛行事として、動物アトラクション(移動動物園)を
        札幌市円山動物園の協カにより行う。
        チンパンジー、カンガルー、アシカなどが、旧帯広小学校講堂及
        び畜産大学体育館を会場に種々の芸を披露し市民の好評を博し
        た。
        夢の動物園コンクール作品募集を行う。内容は動物に関する作
        文、画、写真、歌詞について作品を募り審査を行った。夢の小箱
        (募金箱)を市内の銀行など5ケ所に設置、PRにつとめた。
        その他委員が随時、街頭募金を行う。

 昭和35年  
   4月  「帯広市動物園建設期成会」が発足する。(会長 高野秀三、副
        会長 伊藤経作 小室吉助 森山牧  理事 伊藤勉 大江健
        他18名 監事 小田豊四郎 野沢武司

   5月  小鳥の村談話会を開催(公民館)
        期成会独自の動物園建設計画を作成する。
        建設場所:市内大川町(十勝川河畔一帯)
        面  積:18,000坪(約60,000平方メートル)
        建 設 費:65,000,000円
        飼育動物点数:65種 292点
        職  員:園長以下20名
        入 園 料:大人30円 子供10円
        建設年次:昭和37年~42年までの6カ年計画。

 昭和36年
   5月  円山動物園の協力により、移動動物園を市内緑ケ丘児童遊園地
        で行う。(カンガルー、ワニ、鳥類など約15種)
        以上、市民サイドの動物園建設運動に呼応して、一方市側は下
        記のような建設の準備に入る。

   7月  動物園建設基本調査のため先進地動物園(規模中位以下、日立
        、秋田等5ケ所)視察、市議会文教厚生委員長 荘田清一、教育
        委員長 角田隆一等一行6名。

  11月  本格的な建設計画に着手、位置は緑ケ丘公園か鈴蘭公園かで
        論議が多かったが、緑ケ丘公園は、将来、緑ケ丘墓地のつつじ丘
        霊園の移転に伴い、動物園拡張の余地が残されている等有利な
        面が多いことから、最終的に現位置に決定。
        建 設 費:50,000,000円程度とし、遊園地の併設を基本とする。
        建設年次:昭和37年~39年までの3カ年計画とし、開園は昭和
        38年を目途とする。

        建設基本設計を北海道開発コンサルタントに委託。総工費設計
        全額 52,000,000円

 昭和37年
   4月  動物園建設事務担当を、それまでの教育委員会社会教育課から
        建設部土木課に所管替。

   6月  緑ケ丘公園ボート池付近に、市内各有志に委託飼育中の動物(
        キツネ、タヌキ、エゾシカ、エゾフクロウ等)を集め小動物飼育を開
        始する。

  10月  市債借入認可を得、直ちに建設に着手。土工事、給排水工事、
        電気工事、動物舎(小獣舎、猛獣舎等)、事務所、調理室等。

 昭和38年
   6月  購入動物の到着、小動物飼育施設からの動物移動、開園に備え
        る。
        以上のような経過のなかで動物園建設期成会は動物園完成のの
        ち、園内に国旗掲揚塔を寄贈することを申し合わせて解散する。(
        同時点の現金残高166,216円)

 

 昭和38年(1963年)
7月 13日 開園
        開園時の規模
        面 積 48,000平方メートル
        動物舎 鳴禽舎、野鳥舎、猛獣舎(現トラ舎)、チンパンジー舎、小
        獣舎、狐狸舎、サル舎、カンガルー舎、シカ舎(現ラクダ舎)、アシ
        カプール、サル山、エゾシカ放養場、総合動物舎、鶉鶏舎、ロック
        ガーデン動物数 ヒグマ、アカカンガルー、トラ、ライオン、ヒョウ、
        エゾシカ、ニホンザル、タイワンザル、カリフォルニアアシカ、ロバ
        、オオバタン、コクチョウ、アカコンゴウインコ、クジャクバト、エゾシ
        マフクロウなど合計20余種 約80点
        遊具 メリーゴーランド、豆汽車
        職員数5名(飼育係3名、管理係2名)
        臨時職員数10名(売札、遊具運転など)
        入園料 大人30円 中人20円 小人10円
        ・ 主な受贈動物 ヒグマ1点(中川一郎)アカカンガルー2点(中川
        一郎)トラ2点(大野伴睦)ライオン2点(円山動物園)ヒョウ1点(円
        山動物園)エゾシカ3点(青年会議所)
        ・ 主な動物の購入、交換及び保護 カリフォルニアアシカ、チンパ
        ンジー、ロバ、アミメニシキヘビ、アカコンゴウインコ、オオバタン、
        コクチョウ、クマタカ、エゾシマフクロウ、クジャクバト、インドクジャ
        クなど。

 

 昭和39年(1964年)
 4月 1日 初代園長に高橋久道氏就任
   4月  入園料改定大人50円 中人20円 小人10円
   5月  主要な動物の愛称を広く市民より公募する。(アシカ、チンパンジ
        ー、ロバ、インドゾウ、ライオン、カンガルー、トラ)
   6月  動物を計る会を開始、現在に至る。
   7月  動物写生画コンクールを開始、現在に至る。
  11月  耐寒訓練を開始
        インドゾウ、トラ、ライオン、ヒョウ、カンガルー、ロバ、インドクジャ
        クなどを対象として、北国の酷寒に耐え得る限界に挑戦する。
        ・ 飼育動物数(4月現在)60種180点
        ・ 動物舎の新設 ゾウ舎、フライングケージ、ペンギン池
        ・ 主な受贈動物 オオサマペンギン1点(円山動物園)ヒグマ1点(
        円山動物園)シロテテナガザル1点(内木宮多良)ヒムネオオハシ
        3点(円山動物園)
        ・ 主な動物の購入、交換及び保護 モモイロペリカン、ルリコンゴ
        ウインコ、カンムリヅル、マガン、インドガン、ハイイロガン、チン
        パンジー、マントヒヒ、フタコブラクダ、インドゾウ、フンボルトペン
        ギン、オジロワシ、アカツクシガモ、コブガモ、セイケイなど。
        ・ 遊具の新設 人工衛星盤、空中観覧車
        ・ 主な施設及び遊具の受贈 国旗掲揚塔(動物園建設期成会)
        ブランコ(物井鉄工場)パーゴラ(帯広ライオンズクラブ)