2010年 2月 14日

アイヌ語で動物園かんさつ

本日、おびひろ動物園・帯広百年記念館合同企画である「アイヌ語で動物園かんさつ」が行われました。

この催しは昨年に続いて2回目の開催となります。
おびひろ動物園の職員に加え、帯広百年記念館からは2名の学芸員がご案内させていただきました。


まずはアザラシです。
エサを食べる様子を見てもらいながら、アザラシの生態についての話があり、その後アイヌ民族や北方民族におけるアザラシとのかかわりが説明されました。

これは、北方のニヴヒ族のおばあさんから購入したアザラシの皮でできた子供靴だそうです。
履き口に見える模様がアイヌ文様によく似ていました。


続いてはフクロウへ。実際にフクロウに触れてもらいながら解説を聞きました。
当園ではシロフクロウの横にアメリカワシミミズクを展示していますが、アイヌ文化においてワシミミズクは偉い神様とのこと。しかし、それ以外のミミズクの仲間は化け物なんだそうです。

エゾシカでは獣道ツアーを敢行です。
気分はエゾシカになりきれたでしょうか。
このとき、百年記念館の学芸員の方が簡易のシカ笛(本来は木にシカの膀胱をかぶせたもの)を鳴らしました。
シカ笛は、シカの発情期である秋になると、猟をするためにシカの鳴き声に似せた音を鳴らし、シカを誘き寄せるために使われた道具です。
もちろん、当園のエゾシカたちもばっちり反応していました。

ツアー後は、餌を食べる様子を見ながら再びアイヌ文化とのつながりを解説。
実際のシカ皮を触れてみたり、頭骨を使いながらドコをどう使ったなど教えていただきました。

こちらではオオワシについて解説。
矢羽根として用いることができるため、本州への交易品として狩猟されていたと聞き、驚きました。そして、その捕獲方法を聞いてさらに驚き。
アイヌ民族は狩猟民族ですから動物によってさまざまな手法で猟をしています。
なお、帯広百年記念館内のアイヌ民族文化情報センター『リウカ』ではこうしたアイヌ文化を本やビデオなどでも紹介しています。

最後はエゾタヌキとキタキツネを解説して終了となりました。

もちろん、ここでご紹介した以外の動物についてもいろいろなお話があり、非常に面白い観察会となりました。時間も約20分ほどオーバー。
それでも途中からスピードを上げ、飛ばしてしまった動物もあったんです。

新しい動物の見方はいかがだったでしょうか。
動物を文化的側面から見てみるのもとても面白いと感じた一日でした。